感情で動いてしまう前に、少しだけ立ち止まってみる

感情って、本当に強い。

ある日、何気ない一言で怒りが爆発したり、
思い通りにいかなくて落ち込んでしまったり。
SNSを見て焦ったり、人の幸せに嫉妬したり――
どんなに冷静にしていたつもりでも、
感情って、ふとした瞬間に心を支配してきます。

私も何度も、感情に任せて動いてしまって、
あとで後悔したことがありました。

強く言い返してしまったこと。
黙り込んでしまったこと。
相手の気持ちも、自分の本音も、何も見えないまま
「とりあえずの反応」で終わってしまった日。

でもね、そういう経験を何度も繰り返すうちに、
やっと気づいたことがあるんです。

「立ち止まる」って、逃げることじゃなかった。
むしろ、自分とちゃんと向き合おうとするための、
小さな勇気だったんだと。

感情が湧いてきたときに、
ほんの一呼吸でも置けるようになると、
見える景色が変わってきます。

「なにに怒ってるんだろう」
「ほんとうは何を不安に思ってるんだろう」
「どうして悲しくなったんだろう」

問いかけることで、感情に振り回されるんじゃなくて、
感情の“背景”を理解することができるようになる。

そしてそこから、初めて“自分で選ぶ”という行動ができるようになる。

私は、思考って「感情にブレーキをかけるもの」じゃなくて、
「感情を受け止めて、整理してあげるためのもの」だと思っています。

だから、怒ってもいい。
泣いてもいいし、落ち込んでもいい。
でも、そのまま走り出す前に、ほんの少しだけ立ち止まってみる。

その一瞬が、自分を守ってくれる大事な時間になるかもしれません。


次は、さらに深く「自分の本音」と向き合うお話です。
自分の中にある“なぜ”を掘っていく、思考の旅へ。

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