準備は、未来の自分への思いやりかもしれません

準備って、なんのためにするんだろう。
そう問いかけてみると、真っ先に思い浮かぶのは「失敗しないため」とか「成功するため」といった“目的のための手段”かもしれません。

でも私は最近、少し違うふうに考えるようになりました。

もしかしたら――
準備って、未来の自分に対する“思いやり”なんじゃないかって。

今の自分がやっているこの積み重ねは、
数日後、数ヶ月後、もしかしたら数年後の自分を
「大丈夫だよ」と支えてくれる、やさしいクッションになるかもしれない。

そのときの自分が、少し疲れていたり、うまくいってなかったとしても、
「あの時ちゃんと準備してたな」って思い出せるだけで、
踏ん張る力が湧いてくることがある。

私自身、何度もそういう瞬間を経験してきました。

たとえば大会に向けての減量期。
最初は変化もなくて、報われている実感が全然なくて、
「本当にこれでいいんだろうか」って不安ばかりでした。

だけど、あるとき鏡を見て、カットがうっすら見え始めた瞬間、
それまでの“変化がなかった日々”が全部、報われたような気がしたんです。

「やっぱり準備してきてよかったな」って。

準備ってね、本当に地味なんです。
目立たないし、誰かに評価されるわけでもない。
むしろ「まだ何もしてないじゃん」と言われてしまうことだってある。

でも、静かに続けてきた人にしか味わえない“安心感”がある。

「やってきた」という事実は、揺るがないから。
結果がどうあれ、それはもう、自分の中にちゃんと根付いているから。

だから私は、準備という行為そのものを、
もっと自分にとって“優しいもの”として見てあげてほしいと思うんです。

「未来の自分のために、今の自分がしてあげられること」
それが、準備。

そしてその優しさが、
きっといつか、踏ん張りどきのあなたを支えてくれるはずです。


次は、そんな準備の中でも特に目立たない、
「誰にも見られていない時間」に光を当てるお話です。

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