準備の力を信じる

すぐに結果が出ることに、つい惹かれてしまう。
「やったことが、ちゃんと目に見えて報われてほしい」
そんなふうに思うのは、きっと誰にでもある感情だと思います。

だけど実際は、
大事なことほど、“すぐには見えない”場所で育っていく。

準備って、そういうものなんじゃないかと思うんです。

誰にも見られていない場所で、
コツコツ積み上げた努力。
誰かに褒められるわけでもなく、
でも、確かに「未来の自分」のためにしていること。

やってるときは、報われる保証もない。
何のためか分からなくなることさえある。
それでも続けてきたことが、
あとからふと、自分を助けてくれることがあるんです。

たとえば私は、減量の準備を始めたのは大会の何ヶ月も前。
最初の数週間なんて、変化もなくて不安しかなかった。
でも、ある日ふと、「あ、カットが出てきた」と感じたとき、
その“何も変わらなかった日々”こそが、身体を作っていたんだと気づきました。

準備って、未来に向けた“優しい投資”なのかもしれません。
焦らず、騒がず、静かに積み重ねていくもの。

このテーマでは、
そんな「見えないけれど確かな力」を、
いくつかの視点から、ゆっくりと紐解いていきたいと思います。


次は、その最初の切り口――
「準備は、未来の自分への思いやりかもしれません」という話から始めましょう。

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