何かを始めようとする時。
人はよく、「とりあえずやってみることが大事だ」って言います。
でも私は、そう簡単には言い切れない。
確かに、行動することは大切です。
でも、軽い気持ちで始めたことって、
ちょっとキツくなるとすぐに折れてしまう。
なぜならそこには、覚悟がないから。
私はかつて、いくつもの仕事を立ち上げました。
飲食、芸能、アイドル、劇場経営、ホスト業界……
派手に見える舞台の裏で、何度も転び、裏切られ、失敗を繰り返しました。
正直、始めたときは、勢いや希望だけで動いてた。
「こうなったらカッコいいよな」って、そんな浅い夢ばかり見てた。
でも、現実は想像以上に過酷だった。
騙されて、追い詰められて、借金1億円を抱えて、
水で体を洗いながら生きていた時期もある。
でもね、それでも続けたこともあった。
それでも「やめなかった」ことが、いくつかある。
なぜかっていうと、そこには“覚悟”があったから。
誰にも認められなくてもいい。
金にならなくてもいい。
この道を選んだのは自分だと、そう思えていたから。
覚悟って、人に見せるものじゃない。
「本気です」なんて口にしなくても、
本当に覚悟がある人間の行動は、静かで、そして重い。
やるって決めたから、やる。
その裏にある“思い”や“選択の背景”が、行動ににじみ出るんです。
だから、もしあなたが「自分は本気でやっているのか」と迷ったときは、
一度、自分の内側を見つめてみてほしい。
「誰にどう見られたいか」じゃなくて、
「これをやることで、自分はどうありたいのか」。
行動って、周りに対しての宣言でもあるけれど、
なにより、自分自身に対する“約束”なんだと思う。
そして本当の覚悟は、
うまくいかない日にも、自分を立たせてくれる。
それがあるから、人は倒れながらでも、歩き続けられるんだと、私は思っています。
次は、「気持ちが追いつかなくても、そっと動いてみる」
その“静かな一歩”の力についてのお話です。