経験は「点」じゃなく「線」になる

そのときは、意味なんてなかった。
なぜ自分だけがこんなに苦しいのか、
なんのためにやってるのか、
どこに向かってるのかも、よくわからなかった。

ただ目の前の現実を、どうにかして生き抜くことで精一杯だった。

…そんな日々を、あなたは経験したことがありますか?

私はあります。何度もあります。

10代の頃、将来なんて1ミリも見えなかった。
30代で借金を背負い、明日の飯すらどうするか分からなかった。
信じていた仲間に裏切られ、裸一貫からやり直した時もあった。

だけど、不思議なんです。
そんな“バラバラだった点”のような日々が、
あとから振り返ると、一本の“線”としてつながっていた。

「あの失敗があったから、この判断ができた」
「あの出会いがあったから、今ここにいる」

まるで伏線が回収されるように、
点だった出来事が、生きる意味に変わっていく瞬間がある。

それは、努力が報われた日とは少し違う。
もっと静かで、深くて、やさしい感覚。

自分が選んできたすべての道が、
自分を裏切っていなかったと、そう思える日が来る。

だから私は、
今「意味があるのか分からない」と感じているあなたにこそ、伝えたい。

焦らなくていい。
いまは“点”にしか見えなくても、
その経験は、必ず“線”になる。

それがいつか、あなたの背中を押してくれるし、
誰かの光になることだってある。

点と点は、時間をかけて線になる。
線は、やがて道になり、道は、生き方になっていく。

そしてそのすべてが、あなたという人間をつくっていく。

だから今日の経験も、
どうか大切にしてあげてください。


そして次は、そうやって積み重ねた経験や思考、行動、準備を――
“もっと強く回していくための考え方”、「循環の力」について考えていきましょう。

目次