「失敗したら終わり」
昔の私は、そう思っていました。
たとえば、経営していた飲食店が倒産したとき。
何百万というお金が一晩で消えて、
人も信頼も失って、「ああ、もう終わったな」と思いました。
でも、そこから不思議なことが起きたんです。
最初は“ただ生き延びるため”に動いていた毎日が、
気づけば、自分を見つめ直す時間になっていた。
失敗したあとって、
いろんなものを失ってるからこそ、逆にシンプルになる。
「もう、どう見られたっていい」
「ただ、自分としてやり直せたらそれでいい」
そこに残っていたのは、“自分の中にある本音”でした。
人は成功よりも、失敗のときにこそ、
自分の考え方、感情、価値観と真正面から向き合うことになります。
だから私は思うんです。
失敗って、人生がくれた“問い”なんじゃないかって。
「どうする?」
「お前はそれでも進むのか?」
そう聞かれてる気がした。
そして、ちゃんと答えようとすることで、
考えが深くなり、行動が丁寧になり、選択に意味が生まれる。
もちろん、失敗は痛い。
心が折れそうになる。
でも、そこで終わりにしなければ、
それは“ヒント”になる。
「どこが足りなかったのか」
「自分が本当に求めていたのは何だったのか」
そのヒントを拾うために、
私は何度も地べたを這ってきました。
もし今あなたが、「やってしまった」と落ち込んでいるのなら、
どうか思い出してほしい。
“終わり”じゃない。これは、次の自分を育てる“問い”だと。
だから怖がらずに、ちゃんと拾いにいこう。
自分にしか見えない、あなただけの“答え”がそこにあるはずです。
次は、その「失敗の先」へ何度でも立ち向かう姿勢――
「成功とは、試行錯誤の回数」というテーマに進みます。